進研学習会ブログ

短期記憶と長期記憶

2024.12.06

いつもブログをよんでいただきありがとうございます。
進研学習会の佐藤です。

今回は「短期記憶と長期記憶」について記事にしました。
短期記憶と長期記憶は、私たちの脳が情報を保存し活用する上で基本となる仕組みです。
それぞれの役割や特徴を理解することで、記憶のメカニズムを深く知ることができます。
いわゆる暗記が苦手な方はぜひ最後まで読んでみてください。

 

短期記憶 (Short-Term Memory)

短期記憶は、短い時間だけ情報を保持する記憶システムで、主にその場での作業や判断に使われます。

特徴

  1. 持続時間
    情報の保持時間は数秒から数十秒程度で、リハーサル(繰り返し)をしない限りすぐに忘れられます。たとえば、初めて聞いた電話番号をすぐに覚えて入力する場合などです。

  2. 容量
    短期記憶には容量の制約があり、一度に保持できる情報量は「7±2個」と言われています(ミラーの法則)。ただし、情報をグループ化(チャンク化)することで容量を拡張できます。たとえば、「123456789」を「123-456-789」と区切ることで覚えやすくなります。

  3. 役割
    日常生活では、作業や判断の基礎として重要です。例えば、会話の内容を瞬時に保持したり、計算を行ったりする際に利用されます。

  4. 忘却
    リハーサルをしないと情報はすぐに消えます。また、新しい情報が入ってきたときや他の情報が干渉すると、記憶が消えやすくなります。

  5. 脳の関与
    短期記憶は主に前頭前皮質が関与し、情報を一時的に処理します。

長期記憶 (Long-Term Memory)

長期記憶は、情報を長期間保存し、後で必要に応じて思い出すことができる記憶システムです。

特徴

  1. 持続時間
    数時間から一生涯まで保持される可能性があります。情報が定着すれば、長期間忘れずに保持できるのが特徴です。

  2. 容量
    長期記憶の容量はほぼ無限と言われています。膨大な量の情報を整理して保存し、必要なときに取り出せる仕組みが備わっています。

  3. 記憶の形成と保持
    短期記憶から長期記憶に移行するプロセスを「エンコーディング」と言います。この過程では、情報の繰り返しや深い意味づけが重要です。例えば、新しい単語を覚える際に例文を使ったり関連性を見つけたりすることで、記憶が強化されます。

  4. 忘却
    長期記憶でも、時間の経過や情報の干渉によって忘却が起きることがあります。ただし、情報は完全に消えるわけではなく、何らかのきっかけで思い出せる場合も多いです。

  5. 脳の関与
    情報の長期保存には海馬が重要な役割を果たします。最初は海馬に保存され、その後、脳全体に分散して保存されると考えられています。

短期記憶と長期記憶の相互関係

短期記憶と長期記憶は、情報の流れにおいて密接に関連しています。短期記憶に入った情報がリハーサルや繰り返しの学習を通じて長期記憶に移行します。たとえば、日常的なスキルや知識は、最初は短期記憶として保存されますが、繰り返しの練習や経験を通じて長期記憶に定着します。

記憶を活用するためのポイント

  1. 短期記憶の有効活用
    情報をグループ化(チャンク化)する、必要な情報に集中するなどの工夫が効果的です。

  2. 長期記憶への移行を促進する方法
    リハーサルや意味づけを通じて記憶を深めることが大切です。また、感情的な関連付けやストーリー化することで記憶が強化されます。

  3. 忘却を防ぐための復習
    学習後、適切なタイミングで復習を行う「間隔効果」を活用すると、記憶がより定着します。

短期記憶は日々の情報処理を支える即時的な記憶、長期記憶は私たちの知識や経験を蓄積し、人生を豊かにするための記憶です。この二つの記憶の仕組みを理解し、それぞれに適した方法で活用することで、学習や仕事の効率を大きく高めることができるでしょう。

 

いかがでしたか。
少しでも役に立てたら幸いです。
暗記が苦手な方こそ戦略的に勉強していかなければなりません。
困ったことがあったら我々講師にご相談ください。

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